徒然サブカル随筆

気の向くままにサブカルについて綴ります

偏見音楽分類法(再掲)

これは以前別ブログで書いたものをこっちに再掲しているものです。割とお気に入りの回だったのでこっそり載せときます。





連休前の土曜日、私は前バンドも含めかれこれ8年近く追いかけているバンド、バズマザーズのライブに参加した。
3時間半の濃密なセットリストにすっかりやられた私と友人は、そのまま後輩を呼びつけ、朝まで飲み歩きのデスゲームを繰り広げた。酔った私は終始「女を抱きたい。風俗に行きたい」を連呼していたと思うが、恐らく実際に連れて行かれたら私の愚息は元気をなくしてしまうだろう。引っ込み思案なもので。

その話はまた後日たっぷりと書くとして、今日は一つ、「音楽の接し方」について考えてみようと思う。
これを分析することによって、その人にとっていい曲はどんな曲かが大抵わかる。オススメだ。
私が思うに、人が音楽に接するパターンは、大きく分けて3つある。

「ファッション」としての音楽
「ツール」としての音楽
「メンタル」としての音楽

この3つだ。恐らく私は、「ツールよりのメンタル」だと思う。自分で言うのもあれだけども。
1つずつ解説していこう。

「ファッション」としての音楽が好きな人は、大抵まず、音楽自体に大して興味を持っていない、もしくは「イケてるグループ」に属していることが多い。
テレビで流れているJPOPや、流行のバンドをチェックし、カラオケや会話の中でうまく利用する。ただし、興味はないから深くは掘らない。

「逃げ恥」を見てから星野源の曲を聞き始めた(ただし、恋とSUNだけ)とか、そのレベルの人のことを指す。
流行りの曲をしっかりと抑えているので、ウケもよく、周りの会話にもしっかり合わせられる。女子ウケもいいだろう。イケてるグループに入るのは必然である。
こういう人が「なんかオススメの曲ある?」なんて聞いて来た時には要注意だ。そんな人達にマニアックな中毒性の高いバンドなんて進めたところで、何1つ分かり合えない。

そういう人たちが悪いと言っているのではない。音楽に対して感じているスタンスがそもそも違うのだ。
そう言う人達には、「次に売れそうかな」という勢いがあるバンドあたりを進めるのがちょうどいい。
曲調も激しめではなくJPOPよりのラブソングを歌ってそうなあたりだ。
無難なところをついていけばまず外さない。オススメしたところで、恐らくそいつらは気が向いた時にしかその曲を聞こうとは思わない。

では、「ツール」としての人達はどうか。
ここに属する人達に共通するのは一点。「パリピのノリ重視。」これだ。
フェスでみんなと盛り上がれる曲を大いに好む。
面白い曲もみんなに共有して広められるので、ネタ系のバンドでも食いつく。
キュウソネコカミ、ヤバいTシャツ屋さんなどが最近のお気に入り。
もちろんワンオクやSIMはマスト。
パンクキッズが多く分布してるので、激しめの曲でも全く問題ない。むしろモッシュをしたくてライブに行く部類。
あとはEDMもここのジャンルに入るだろう。
クラブで踊れる曲や、会話が盛り上がる曲を大いに好む。よってここに属する人間は友達が多い。

ここにオススメするのは簡単だ。ファッションタイプの進め方に+して、ノリのいい曲、激しめな曲を重点的に勧めれば良い。アニソンにも理解がある層なので、そっち方面から攻めてもいいだろう。
音楽を他者とのコミュニケーションツールとして使用している層なので、幅広く知識を求める傾向にある。よって、1番曲を勧める時にはやりやすい層だ。

そして「メンタル」
ここが1番難しく、奥が深い。
ここまで読めばお気づきだと思うが、この順番は「音楽にのめり込んでいく順番」になっている。
ファッションとして入り、ツールとして興味を抱き、メンタルに落ちて行くのだ。

ここまで来る人達は、どっぷり浸かっているタイプの人間なので、自分からもガンガン発掘している、もしくは1つのバンドをより深く掘り下げていく傾向にある。
音楽を「救済」として受け止めているタイプだ。
よって、イケてない人やメンヘラが圧倒的に多い。
大抵心の中に闇を抱えており、それを音楽で埋めている。歌詞カードやジャケットまで熟読しちゃうタイプだ。
ただ、音楽の真の魅力もまたそこにあるので、そういう人に向けた曲は山ほどある。
不満や鬱屈した感情を吐き出すのがロックであり、パンクなのだから。

こういう人達には、まず曲をオススメするという行為はしない。こちらの知識と相手の知識を共有する(情報交換)だ。
お互いわからなくても話から熱は伝わって来るので、しっかり聴いてくれる。深い人同士だからこそできる面白いやり取りができるのも魅力だ。
さて、3パターンに分けて私が何を言いたかったかといえば、「病めば病むほど音楽はよく聞こえる」ということだ。

幸せな人はまず音楽に救いを求めようとはしない。
自分が今辛いから、助けて欲しいから、だから気持ちを代弁してくれる音楽が沁みるのだ。
音楽は逃避だ。というのが私の持論であり、自分が精神的に落ち込んでいればいるほど、音楽は深く染み入る。逆に、落ちれば落ちるほどいい曲やフレーズが浮かぶ。
バンドマンにクズが多いのは、そのせいかもしれないと私は勝手に思っている。

辛い時には音楽を聴け。そうすれば、わからなかった世界が少し見えて来るかもしれない。