徒然サブカル随筆

気の向くままにサブカルについて綴ります

テレキャスターに気ぃつけなはれや

9月21日。私が前バンド含めかれこれ10年近く追いかけているバンド「バズマザーズ」の札幌ワンマンに行ってきた。

私のことを知ってる人だったら、私が信者レベルでこのバンドを好きだということはご存知だと思うが、元々は前バンドの「ハヌマーン」にどっぷりハマったことがきっかけだ。

ショートディレイにビッグマフで歪ませたテレキャスター。リッケンのベース。手数だらけのドラム。そしてボーカル山田亮一の歌詞。最強の3ピースだったと個人的に思う。

今のバズマザーズももちろん大好きだし、今は今で当時と違った良さがあるのだが、やはり聴けるものならハヌマーン時代の曲を聴いてみたいと常々思っていた。

その中の一つに「幸福のしっぽ」という曲がある。
8分超の大作だ。山田亮一曰く「俺はここに人間の全てをこめた」

大言壮語なんかじゃない。現にここに、この歌で救われた人間がいるからだ。

私の人生で最大の挫折は大学受験だった。進学校に入り、今まで成績トップだった人間が途端に落ちこぼれと化した。高く伸びた鼻はとうの昔にへし折れ、それでもなんとか必死に食らいついて、浪人までして目標の大学入学を目指した。

しかしセンターで大失敗。頭が真っ白になったとはこのことだ。「なんで間違えたのか」すら分からなくて途方に暮れていたので、おそらくパニック状態だったと思う。
変なところでプライドが高い私は、合わせる顔がないと誰にも会わず、話さず、部屋で1人引きこもる生活を送った。

今思えばそんなことでと思うが、当時の私はそう思うことすらできない環境にあったのだ。落ちたら負け組。残りの人生に希望はない。そういう強迫観念にかられながら過ごした高校生活だったから。

完全に心を閉ざし、半分鬱状態になった私を見て、親は私の部屋から刃物類を全部没収した。紐の類も無くなってたと思う。当時の私の目は光がなく完全にイっていたらしい。確かに「どう迷惑をかけずに死のうか」と2週間部屋にこもって考えていたから割とガチだったと思う。

その時に聞いたのが「幸福のしっぽ」だった。
本当に嗚咽がとまらないくらい泣いた。今までも曲を聴いて感動して涙を流すことはあったが、それとはまた違った感情が私を襲った。

私もまだ、人間でいたかったのだ。どんなに辛いことがあっても、黙って全てを受け入れなくちゃいけないんだ。

決して明るい歌じゃない。むしろものすごく暗い歌だったが、その曲が私を救ってくれた。「今の現状を受け入れて生きていこう」と思わせてくれた。
山田亮一は私の命の恩人である。誇張抜きで。大尊敬しすぎるあまりライブ終わりに話しかけることすらできずソッコーで帰っている。


そんな曲を、10年近く聴きたいと思い続けた曲を、目の前で彼が弾いている。本当に感無量だった。涙をこらえるのに必死で。潤んだ視界で前が見えなくなって。それでも一音も聞き漏らすまいとして聴いた。

前バンドの曲をやることに、少なからず抵抗はあったとおまう。今のバンドもとても素敵なバンドだ。過去の曲をやるのは今のバンドに対して失礼だと思う気持ちももちろんわかる。


それでも。弾き語りとしてやってくれた。それだけで本当に嬉しい。私の命を助けてくれた歌を、ようやく私は聞くことができた。

山田さんがここを見てるわけはないんだけどれども、貴方の歌で救われた人間がここにいるということだけでも、こうして残る形で表明しておきたかった。

ありがとう、山田亮一。明日も同じ手段で仕事に行って、理不尽さも品性の無さも受け入れて、それでも私は生きていきます。それが人間でいることなのだから。

Rising Sun Rock Festival 2018 in EZO 参戦レポ兼自分用メモ1日目

毎年毎年懲りずに参加し、2年連続の雨に辟易しながらもなんだかんだで来年もいこうと思ってしまう。
このフェスはそんな魅力がある。やっぱりキャンプしながらのロックフェスは最高である。

テントを張ってるために「フェスなのにライブを見にいかなくても楽しめる」という空間を作れるのはこのフェスだけだろう。
テントでビール片手に聞いた奥田民生は最高だった・・・

ライブ参戦リスト(1日目)
サンボマスター
岡崎体育(チラ見)
・SIM(チラ見)
yonige
ASIAN KUNG-FU GENERATION
・T字路s
・ORENGE RANGE

初手はサンボからのスタート。去年も参戦したがやっぱりサンボはアツい。The BONEZ の分までやってくれた「そのぬくもりに用がある」は大名曲。大満足のスタートでした。
岡崎体育を横目でチラ見しながらSIMへ。正直モッシュに入るつもりはさらさらなかったので「Killing Me」を遠くで聞きながらツーステップを踏みまくっていた。
そしてyonigeへ。最近まともに聞き始めたがとてもよかった。新曲の「リボルバー」がまんまハヌマーンの「アパルトの中の恋人たち」なのでぜひ一度聞いてみてほしい。だらっとした夏の終わりを感じさせる良曲。今後も追いかけよう。
そしてアジカン。中学生の時から聞いていたバンドを生で見るというのはやはり感慨深い。個人的にはブルートレインやってくれたのがうれしかった。あとはエルレとラッドを生で見ることを目標にしよう。
ここで雨と汗でびちょびちょになったので着替えとごはんタイム。炭火をおこしてBBQ。肉を食いながらT字路sを聞く。酒を飲みながらゆっくりと音楽を聴く時間は最高。このためにライジング来てる。

初日一番のベストアクトは個人的にオレンジレンジだった。いやぁ最高だった。世代ど真ん中直撃のセットリスト。
見に来たみんな全員歌詞把握して歌いまくってるのには感動すら覚えた。アンコールまでやってくれて大満足。
これで雨さえ降らないでくれていれば・・・

1日目だけでTシャツ三枚をだめにしてしまった私は、翌日の着替えの心配をしながら男6人で4人用のテントにもぐりこんだので会あった。

如何せん、涙は溢れるもので。

祖父が亡くなった。御年96歳の大往生である。
正直、晩年は大変苦労した。中途半端にボケた頑固ジジイ(怒鳴り散らすタイプ)というのはなによりもタチが悪いということを思い知らされ、「絶対に俺はボケる前に身辺整理をしよう」と心に固く誓った。

それでも、祖父の冷たくなった身体を触った時。棺桶で花に囲まれた祖父を見た時。火葬場で焼かれ骨になった祖父を見た時。どうしようもなく涙が溢れてきた。
祖父の、というよりももっと根本的な、「死」自体の悲しみが私を包んだ。

結局、人は死ぬのだ。それは苦しいことなのかもしれない。あっという間のことなのかもしれない。みんなそれを考えないようにして生きている。毎日死にたいと思って過ごしてるくらいだったらとっくに自殺してるだろうし。
ただ、いざ目の前にそれを見せつけられると、否応無く実感させられてしまう。それは大変恐ろしいことだと思う。

自分だっていつどうなるかわからないのだ。
そんな当たり前のことを、目の当たりにするまですっかり意識の奥へとしまいこんでしまっていたのだ。

臨終の間際、祖父は意識のない中で涙を流したらしい。
すっかり聞こえなくなっていた耳で、何を聞いたかはわからないが。きっと伝わる思いがあったんだろうなと思う。

私が出来る唯一の供養は、忘れないでいることだ。
祖父が生きていたことを、絶対に思い出してあげることだ。
私のまだ短い人生の中で、何度か見て来た死。
大学の先輩、高校の同級生。担任だった先生。
どんなに記憶が薄れたとしても、ふと思い返してあげることが、残された私達に出来る唯一のことだろう。きっと。


正直ちょっぴり苦手だったけど、本当に立派な方でした。
いつか俺がそっちに行く時、堂々と胸を張って逢いに行けるような人になれるよう頑張ります。
おやすみ。じいちゃん。
本当に今までありがとう。

ラジオのススメ その1

最もアンダーグラウンドな情報発信媒体は何か。
TV離れが進んだとはいえ、有事の際にはみんながテレビで情報を集める。仕事をしている人なら、毎朝の新聞は読んでいるだろう。インターネットが主流の現在、SNSは多くの若者が毎日見て情報を得ている。

おそらく、ラジオだろう。
でも、今回はそこが面白いよって話をする。

ラジオはサブカル的にもマイナーだ。
2000年代後半あたりから、アニメや漫画(特に萌えアニメ系)の認知度が高まり、今やパリピまでもがアニメを見ている。最近では「君の名は」なんていう、セカイ系の王道みたいなアニメが大ヒットした。「最新兵器彼女」とかの時代には考えられないことだ。

今はアニメは「オタクが見るもの」ではなく、一般人も見れるものへと昇華したと思う。まぁ好みはあるだろうけど。

だが、ラジオだけは、今も昔も立場が変わらないのだ。
ハガキ職人」が身近にいるなんて話を聞くか?
クラスや職場で堂々と昨日の「オールナイト」の話をする奴が今の時代にいるだろうか。
今時ラジオを聴く人は、よっぽどそのパーソナリティが好きだとか、そのアニメが好きだったりするのだ(アニラジの場合は)
要するにそのコンテンツにコアな人がのめり込むのがラジオであり、そこでしか味わえない面白さがあるのが魅力なのだ。

私もかれこれ10年くらいラジオを聴いて過ごしてきたラジオっ子の端くれなので、ここらで1つ布教活動でもしてみることにする。



・月曜JUNK 伊集院光深夜の馬鹿力
(月曜25時〜TBSラジオ

「ラジオの帝王」伊集院光が送るラジオ。
テレビでしか伊集院光を見たことがない人は、彼の本性がこっちだということに驚くだろう。
ゴリゴリの下ネタも日々の仕事の愚痴もなんでもござれのオールマイティプレイヤー。元噺家ということもあって、言葉だけで伝える情報量が他の追随を許さない。しっかりオチまでつけるあたりは流石帝王と言った所か。
今なおラジオの最前線を突き進む番組なので、ハガキ職人のレベルがすごく高い。当たりコーナーだと、ネタを聞いて夜中に笑いすぎて眠れないなんてことがザラ。
今まで深夜ラジオを聞いたことない人は、ここから入るのが1番わかりやすいと思う。深夜ラジオのお手本みたいな番組である。



・木曜JUNK おぎやはぎのメガネびいき
(木曜25時〜TBSラジオ

数年前までは裏番組に「ナインティナインのオールナイトニッポン」という化け物番組があった為、不遇の扱いを受けていたおぎやはぎのラジオ。
ただ、やはりあの2人の雰囲気はラジオでも健在。ゆるい笑いを夜中に与えてくれる。
私が聞いていて1番好きだったのは、おぎやはぎが若者のリスナーを増やす為、アニメを見ようとするくだり。
リスナーからの提案で「魔法少女まどか☆マギカ」を見ることになった矢作が、翌週から段々とアニメにのめり込んでいく様子は聞いていて爆笑した。
結局2人ともハマり、スペシャル回として声優まで読んで悪ふざけのコントをする始末。
小木繋がりで、森山直太朗もたまにゲストで出てくる。ファンの方は是非。


・金曜JUNK バナナマンバナナムーンGOLD
(金曜25時〜TBSラジオ

バナナマンの仲の良さがとてもよくわかる番組。
普段のくだらない生活をダベるのがメインのトーク内容なんだけれども、それでも2人の掛け合いのテンポがよく、コーナーがなくても十分楽しめる番組。
基本的にお笑い芸人のラジオは、その芸人の素の部分が出るものが圧倒的に多い。そのため結婚の発表や、ライブの告知などはラジオから発信することも多々ある。
ファンにはたまらない番組だろう。ハガキ職人のお約束もあるので、ハガキを読んでるだけでも面白い。
日村さんの誕生日には毎年星野源がバースデーソングを送りつけてくる。
彼の楽曲の「SUN」も、もともとは日村のバースデーソングが元ネタになっている。
そういうニヤリとするネタをしっかりと決めてくるのがこの番組の良さだ。


くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン
(現在終了。たまに復活有り)

THE内輪ネタの嵐。だが一通り学ぶと1番中毒性があるのもこの番組。
基本的にハガキ職人が送りつけるネタは大抵くりぃむしちゅーの2人の高校時代の先生や同級生、先輩の事をいじる内容であり、彼らは有名人でもなんでもない。
単純にラジオで2人話す彼らを、ハガキ職人が面白おかしくアレンジを加えてキャラを作り上げていったのだ。
ハガキ職人のクレイジーっぷりもこの番組の魅力。
「うんこちんこ番組」と上田が愚痴るだけあって、ネタはほぼうんこちんこ。くだらないにもほどがあるが、それがとても面白いから不思議だ。
あまりの人気っぷりに伝説となり、たまに復活してラジオをするときにはネットニュースにまでなる。
多分今後もたまにやるので、その時に聞いて見るのを強くお勧めする。


長くなりそうなので後半へ続く。
JUNKばっかりで申し訳ない。次回は多放送局や、アニラジも攻めていくので、興味あれば聞いて見るといいだろう。

時には昔の話を

最近ちょくちょくと「ブログ見てるよ」と言ってもらえることが増えた。
言ってくれる人たちに共通してるのは、みんな隠れキリシタン並みにこっそりと言ってくれるという点である。
みてるなら堂々とコメントなりなんなりしてくれ。ただし私に会った時にその話題をリアルに持ち出したら私はイタさのあまり発狂するので。そこんとこよろしく。

まぁ痛いから堂々と言えないのはすごくよくわかる。でもそれを伝えてくれるのはとても嬉しいし、共感してくれてる人もいるっていうことがわかって調子乗ってるのでまた書いちゃう。

と、言っても今回は哲学チックな話ではない。
このブログのタイトル通り、サブカルについてつらつら書き連ねていこうかと思う。
今回は『素質』についてのお話だ。


サブカルにのめり込む素質、というものがあると私は勝手に考えている。
それは「ディグる」ことに楽しみを見いだせるかどうかだと思う。

例えば好きなアニメがあったとする。その中のギャグで他作品のパロディが出てきた。
そこでそれをスルーしてしまうのか、そのパロディ元のアニメをチェックするのか。ここがポイントになる。

私の場合は「らき☆すた」だった。
らき☆すた自体にハマったかといえば正直微妙なのだが、あの作品はハルヒネタ(てか声優ネタ)が多かった。

そのネタがわかればこのギャグの面白さがわかるかもしれない。そう思ってハルヒを見たのが間違いの始まりだったかもしれない。

もともと小さい頃から吹き替えの海外ドラマやアニメを見まくっていたので、乱太郎がコナン。きり丸がルフィ、クリリン。しんべえがマスオくん。なんていうことを気づいて周りの友達に自慢していた。
そう考えると忍たまって声優豪華だよな恐ろしいくらいに。

その次は音楽だ。バンプにハマった。ラッドにハマった。アジカンにハマった。エルレの復活でこないだ泣いた。
そこからそれぞれのアーティストがリスペクトしてるバンド。影響を受けたバンドなどをどんどん掘り下げて知識をつけていくのが楽しくてしょうがなかった。


1つ例を挙げてみよう。KinKi Kidsの『硝子の少年』名曲だね。
この曲は山下達郎が作曲、作詞は松本隆である。
山下達郎は名前くらいなら知ってるけど、松本隆って誰?」
と言う人が大半だろう。そして大半の人はそこで追うことをやめる。
じゃあ試しに松本隆を追ってみよう。
どうやら松本隆は「はっぴぃえんど」というバンドをやっていたらしい。解散後、作詞家として色んなアーティストの作詞を手がけている。「ロマンチックが止まらない」「木綿のハンカチーフ」「赤いスイートピー」……アニソン好きな人なら「星間飛行」の作詞といえばおぉ!となるだろう。

凄まじい名曲たちの作詞をしているすごい人なのはわかった。じゃあ、その人が組んでた『はっぴぃえんど』ってどんなバンドなんだろう?

調べてみると、日本語ロックの先駆けであり、大瀧詠一君は天然色という曲をYouTubeで聴いてみるといい。絶対知ってるから)、細野晴臣(その後坂本龍一らとYMO結成)など、錚々たるメンバーが並んでいる。そんなレジェンドたちがバンド組んでたんだ!すげー!

ってな具合で、掘り下げれば掘り下げるほど色々なことがつながってくる。昔聴いてたあの曲がこの人の作詞だったとか、この人の前のバンドだったとか、そういう発見があるのがとても楽しい。

ちなみに日本語ロックというのをはっぴぃえんどが創り出したが、『日本語で歌ってるのに英語に聞こえる(ダブルミーニング)』を確立させたのは桑田佳祐であり、『1つの音に複数の言葉を詰める』ことを開発したのはミスチルの桜井だったりする。

今だに活動を続けている大物アーティストは、偉大な功績を残してるからこそレジェンド足り得るのだ。


今までの文章を読んで、『おもしれー!もっと知りたい!』と思えたらそれはサブカルの才能があると私は思う。
別に音楽じゃなくたっていい、映画やスポーツ、ミリタリーや歴史だって構わない。それら全てひっくるめてサブカルチャーなんだから。

正直この知識をつけたところで、為になるかといえば全くならない。仕事に役に立つわけもなく、そんな事やってるなら勉強しろと言われてしまえばごもっともである。


サブカルチャーは役には立たない。
だけど、その人の人生を少しだけ豊かにすることはできる。
娯楽って、そういうものであるべきだと私は思う。
(今回のタイトルみてピンときた人はジブリ大好き人間だからね。そーゆーわかる人だけわかるネタ仕込めるのもサブカルの良さだよね)

試しに自分の好きなモノについてちょっと本気で調べてみるといい。意外とのめり込むかもしれないですよ?

デイ・ドリーム・ヘイフィーバー

私は春が嫌いだ。
具体的に言うと4.5月の晴れの日が嫌いだ。

桜舞い散る中に忘れた記憶が戻ってきたりはしないし、冬の寒さに打ちひしがれてない。刹那に散りゆく運命でもないし、そういう夢なら一度も見たくない。

春にこっぴどい失恋したとか、先ほどつらつら書き連ねた春関連の歌の歌詞が嫌いだとか、そういうことでもない。


I have hay fever.
つまりは花粉症だからである。


私が患っているのは、北海道民の半数が罹患しているという『シラカバ花粉症』だ。
本州にいた時にはなぜかスギ花粉の時期に風邪をひいて鼻水がダラダラだったけども、それはあくまで風邪だからね。誰が何と言おうとゼッテー認めないから俺。

さて、このシラカバ花粉。毎年この時期になると途端にせっせと花粉という名の子種を撒き散らして受粉しようとしやがる。
北海道は残念なことに、街中でもそこら中にこの木がニョキニョキと生えているのである。全くもって忌々しい。

この花粉、私だけかもしれないが、目にかなりのダメージを与えてくる。あっかんべーした目の裏側がすっかりかぶれてブツブツになってしまうのだ。
半端なくかゆいしもちろんコンタクトなんてつけられない。

鼻をかみすぎて鼻の中の血管が浮き出てしまい、風呂に入っただけでダラダラと鼻血が出て来る。最終的には耳鼻科に行って鼻の血管を焼いて止めてもらう始末。

おまけにこの花粉。バラ科の果物が食べられなくなるという致命的な弊害がついてくる。口腔アレルギーも併発してしまうのだ。
なので私はリンゴやイチゴ、桃や梨を食べることができない。まぁ加熱すれば食えるのだが、基本生食ができない。


という、本当に踏んだり蹴ったりの花粉なのだ。
マジで本当にこの花粉を撲滅したいのだが、まぁそんな訳にもいかないので、事前に対策をすることでなんとか毎年の春を凌いでいる。


これを見ている人で花粉症で苦しんでいる人がいるなら、事前から薬を飲んでおくことを強くお勧めする。
薬局で買うやつじゃなくてちゃんと耳鼻科で貰えるやつね。今の耳鼻科、目薬とかももらえるからね。
まだ花粉が飛び始める前から薬を飲んでおくと、身体の中に抗体ができて症状が劇的に緩和するのだ。

それでも花粉が多い時には辛いので、昼間にボーッとしてしまう時もある。
そのせいかどうか分からないけども、この時期になると夜悪夢を見る確率が倍増するのだ。
オバケが追いかけて来る夢。しかも自分はスローモーションで思い通りに動けない。全く違う夢を見ていても、夢の中で自分一人きりになった途端にこのパターンの夢に繋がるからタチが悪い。

そんなわけですっかり寝不足の私は、仕事中に花粉が滅びる白昼夢を見て、ボーッとするなと怒られてしまうのだった。
(花粉症って英語でなんていうんだろうって調べたらhay fever で、『じゃぁ昼間に花粉でボーッとしちゃうのってデイ・ドリーム・ヘイフィーバーやん!ヤベェ歌のタイトルっぽいし上手いこと言えてる俺天才か?』って思って書いただけの記事です)

毒も皿まで食らえば美味

「幸色のワンルーム」という漫画がある。
今度実写映画になるらしい。ジャニーズ主演で。
まぁ実写映画の方は正直あまり興味はないのだが、漫画は個人的に読んでいた。


何気なく「幸色のワンルーム」で検索してみたら、何故か炎上のタグが付いていて、そこでこの漫画を巡る騒動を知った。

この漫画、「実際にあった事件」を元ネタに作られていると思わざるを得ない時期にネット上で発表された漫画であった。(作者は関連性を否定している)

この漫画がネットに発表される数ヶ月前に、埼玉で少女が2年間誘拐、監禁される事件があった。
犯人は少女に「お前は捨てられた」などと洗脳して、家に帰るという選択肢を消すよう仕向けていた。(ネットに書いてあることの受け売りなので間違ってるかもしれない)

んで、この漫画の何が炎上したかというと、「誘拐犯と少女が恋愛関係になる」など、事件を肯定するかのような内容でお話が進んでいくのだ。


もちろん、実際に起きた事件は許されるものではない。
ただ、だからといって、元ネタにするなとまで言ってしまうと、創作というものを全て否定してしまうことになりかねないと私は思う。


今回の幸色のワンルームについては、漫画と実際の事件では随分と状況が異なる。
作者も実際の事件を参考にしていない(というのは流石に苦しいと思うので言い訳だと思うが)と言っている通り、外枠として「誘拐犯と少女」を使ってはいるものの、その中身は作者のオリジナルとしてしっかり作られている。中身が面白いかどうかは主観だと思うので何も言わないけど。

別に誘拐犯は少女を強姦もしていないし、監禁すらしていない。少女が家に帰りたいと思わなくなるように洗脳なんてこれっぽっちもしていない。恋愛関係になるというところがけしからんというならば、正確にいうと恋愛関係ですらない。「逃げ切ったら誘拐犯と結婚する。警察に捕まったら死ぬ」という約束をしたというだけだ。
どちらかというと、そう約束せざるを得なかった少女と誘拐犯の歪んだ関係を描いているに過ぎない。

そして何よりも、この漫画。別に誘拐を正当化なんて1つもしていない。第1話で既に少女が誘拐犯と共同生活をすることに「我ながらどうかしてる」と自嘲めいた台詞を吐いている。

これが実際の事件と同じように、誘拐犯が少女を騙くらかして監禁する流れだとしても私は批判はしないだろう。
だって、何も誘拐を肯定してないのだから。そういう流れになるなら必然的に悪として誘拐犯を描くだろうし。

多分批判している人は、外枠だけ見て不謹慎だと嫌悪感を抱いたんだと思う。
でも、それを言われてしまうと創作は成り立たなくなる。


フィクションは毒があるからこそ面白い。
起承転結のない話なんてちっとも面白くない。
大量殺人がある。目を背けたくなるようなシーンがある。
エログロ、倫理的問題、サイコパス
実際の社会ではできないことを、せめて映像や漫画の中で見たいというのは、カタルシスそのものである。

それが名作を生み出すし、心を動かす作品を作る1つの要因にもなる。


まだこの作品は完結していない。
批判するなら、完結して全部内容を読んでからの方がいいんじゃないかなと個人的には思う。


うーん、今回は堅苦しい内容だったな。。。
まぁ難しい話題だとは思うから、私の意見が正しいとは思わない。
1つの解釈として捉えていただければ幸いです。